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ウェブアクセシビリティとは?

更新日:2023年10月4日

ウェブアクセシビリティは、ウェブサイトやウェブアプリケーションが、あらゆるユーザー、特に障害者や高齢者にとって利用しやすい状態で提供されることを指します。つまり、身体的な障害や認知的な障害、高齢による視覚、聴覚の低下など、さまざまなユーザーが、情報やサービスにアクセスし、理解し、操作できるようにすることを重視しています。ウェブアクセシビリティの原則には、以下のような要素が含まれています。


① パーセプタブル(感知可能性)

ウェブサイトやウェブコンテンツは、視覚的、聴覚的、触覚的な方法で認識できる必要があります。これは、適切なコントラスト比やテキストの読み上げ機能などが含まれます。



② 操作可能(操作可能性)

ウェブサイトやウェブコンテンツは、さまざまなデバイスや入力方法を使用して操作できるように設計されなければなりません。これは、キーボードナビゲーションや音声コマンドなどをサポートすることなどが含まれます。


③ 理解しやすい(理解可能性)

ウェブサイトやウェブコンテンツは、明確で一貫性のある構造と表現を持つ必要があり、ユーザーにとって理解しやすいものであるべきです。これは適切なHTMLマークアップや適切なラベル付けなどが含まれます。


④ 堅牢性

ウェブサイトやウェブコンテンツは、さまざまな環境や技術で確実に動作し、利用可能である必要があります。新しいテクノロジーに追従するだけでなく、古いテクノロジーにも対応することが求められています。


ウェブアクセシビリティは、最早ウェブサイト環境を構築する上で包括的なデザインの一部として考えられ、障害や能力の有無に関係なく、すべてのユーザーにとってウェブ上の情報やサービスが平等に利用できるようにするための重要な要素なのです。


ウェブアクセシビリティが必要不可欠な理由

社会全体のアクセシビリティの対応が遅れる日本に対して、アメリカをはじめとする先進国では、下記の理由から企業義務のみではなく、ビジネス拡大に欠かせない方法の一つとして定着しています。


① 包括性と平等

ウェブアクセシビリティは、障害の有無にかかわらず、すべての人々がウェブ上の情報やサービスにアクセスでき、利用できるようにするための手段です。社会的な包括性と平等を実現するために不可欠です。


② 法的規制

多くの国や地域で、ウェブアクセシビリティに関する法律や規制が存在します。これらの法令に従うことは法的義務であり、法的リスクを回避するためにも重要です。

日本でも平成25年に制定された障害者差別解消法をより一層進める為、令和3年に改正法が成立し、公布されました。その中で大きな変化として行政機関等にのみ義務化されていた「合理的配慮の提供」が、民間事業者でも「義務」として定められています。実際の施行は2024年4月1日からとなり、国内の実状を踏まえると今後多くの事業者が対応を求められることが想定されます。


③ 利用ユーザーの拡大

高齢者、障害者、異なる言語を話す人々など、多様なユーザーグループがインターネットを利用しています。ウェブアクセシビリティを実現することで、より広範なユーザーにアプローチできます。

特に60歳以上高齢者が持つ金融資産は1200兆円とも言われており、今後少子高齢化が進む日本においてはウェブアクセシビリティへの対応により如何に高齢の顧客に対して利用しやすい環境を整備するかによって大きなビジネスチャンスともなり得るのです。

つまりウェブアクセシビリティを考慮することで、新たな市場セグメントにアクセスでき、競争力を強化し、顧客満足度を向上させる機会が生まれるということです。


④ ブランディング

アクセシビリティに対する配慮は、企業やウェブサイトに対するポジティブなイメージを構築する一環でもあります。企業が社会的責任を果たす姿勢として認識されることで信頼性を高める大きな要因となります。


上記のとおり、ウェブアクセシビリティは、社会的、法的、経済的な観点から重要であり、ウェブ上のコンテンツやサービスをできるだけ多くの人々に提供するための必要な措置なのです。



ウェブアクセシビリティに対応するための重要なポイント


WCAGガイドラインを遵守しましょう

World Wide Web Consortium (W3C) が公開しているウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン(WCAG2.0)に従いましょう。WCAG2.0は、ウェブアクセシビリティの基準を定めており、A、AA、AAAの3つの適合レベルがあります。最低でもAAレベルの遵守を目指すことが推奨されています。

日本でもWCAG2.0と一致規格であるJIS規格が発行されています。

2010年にはWCAG2.0の内容を取り込む形で大きく改定され、2016年にはWCAG 2.0と同一規格として改定されました。それが JIS X 8341-3:2016という規格です。


そのため、WCAG 2.0とJIS X 8341-3:2016は同じ内容となっており、WEBアクセシビリティAIをはじめとする世界の基準に合わせたツールで費用を抑え、簡単に誰でも対応することが可能となりました。

WebアクセシビリティティAIは諸外国や国内のポリシーでも推奨されている適合レベルAAに完全に準拠しています。


ウェブアクセシビリティは継続的な取り組みが必要で、ユーザーの多様性に配慮しながら、できる限り多くの人々がウェブ上のコンテンツやサービスを利用できるようにすることを目指していきましょう。



アメリカでは訴訟に発展するケースも!?


ウェブアクセシビリティに関連した訴訟事例は、特にアメリカ合衆国で多く発生しています。以下は、2つの代表的な海外のウェブアクセシビリティ訴訟事例です。


ターゲット (Target) 訴訟

2006年にアメリカの小売大手であるターゲットが、ウェブサイトのアクセシビリティに関して訴訟を起こされました。視覚障害者らは、ウェブサイトが十分にアクセス可能でないと主張しました。結果的に、ターゲットは和解し、ウェブアクセシビリティ向上に取り組むことを合意しました。

ドミノ・ピザ (Domino's Pizza) 訴訟

アメリカのドミノ・ピザが、オンライン注文システムが視覚障害者にとってアクセスできないとして訴えられました。2019年に最高裁判所は、ウェブサイトやアプリケーションもアクセシビリティの対象となり、合衆国内でのアクセス可能性に関する訴訟の判断を支持しました。

一般的に、アメリカではウェブアクセシビリティに関する訴訟が多数存在します。これらの訴訟は、視覚障害者や聴覚障害者などが、ウェブサイトやアプリケーションがアクセスできないとして、合衆国内の多くの企業や機関に対して提起されています。これらの訴訟は、ウェブアクセシビリティの法的要求に対処するための重要な判例となっています。


この判例はウェブアクセシビリティの法的重要性を示し、組織がアクセス可能なウェブ体験を提供することが重要であり義務であることを示しています。

企業や機関は、アクセシビリティ規則を遵守し、ウェブサイトやアプリケーションをアクセス可能にするための努力を怠らないようにする必要が出てきています。


日本国内でもウェブアクセシビリティに関する動向が増加しており、以下はそのいくつかのポイントです。


日本国内のウェブアクセシビリティの動向


進む法的枠組みの整備


2018年に日本国内で「情報通信障害者等の利用に供する情報通信設備のアクセシビリティの向上等に関する法律」(通称:アクセシビリティ法)が施行されました。この法律は、情報通信設備やサービスのアクセシビリティ向上を奨励し、障害のある人々に情報通信を提供しやすくすることを目的としています。


求められる企業の取り組み


多くの日本企業がウェブアクセシビリティに対する取り組みを強化しています。特に大手企業や官公庁は、アクセシビリティを実現するための設計、開発、テストのプロセスを導入し、アクセス可能なウェブサービスを提供しています。


教育と意識向上


アクセシビリティに関する教育と意識向上の取り組みも増加しています。

セミナーやワークショップ、研修が提供され、ウェブ開発者やデザイナー、コンテンツ制作者に向けてアクセシビリティの理解を深める機会が提供されています。


上記で挙げたとおり、ウェブアクセシビリティは、日本国内でも法的要求として重要性を増しており、障害のある人々がウェブを利用しやすくするための努力が継続的に行われています。企業や機関は、アクセシビリティを考慮したデザインと開発を行い、より包括的なウェブ体験を提供することに注力しています。


WebアクセシビリティAIを導入することで様々なサイト上の問題が解消するだけではなく、社会的責務を果たす企業として高齢者や障害を抱える方々にも優しい企業として認知されることでしょう。


日本の高齢者のインターネット活用に関する実態


インターネット利用率の増加


近年、高齢者のインターネット利用率が増加しています。特にスマートフォンやタブレットの普及に伴い、高齢者もデジタル機器を使いこなすことが増えています。

更に高齢者の中には、FacebookやLINEなどのソーシャルメディアプラットフォームを利用して友達や家族とコミュニケーションをとる人も増えています。

特に孫の写真や情報を共有するために利用するケースが多いです。


また、高齢者のインターネット活用は様々な場面で増えています。


オンラインショッピング

高齢者の中には、オンラインショッピングを楽しむ人も増えています。特に高齢者向けのシニア市場をターゲットとしたウェブサイトやアプリケーションも増加しており、シニア向けの商品やサービスを提供しています。


健康情報や医療機関の検索

高齢者は健康に関する情報を検索し、医療機関の予約をオンラインで行うことが増えています。特に新型コロナウイルスの流行により、オンラインで医療相談を受けることが一般的になりました。


学習と趣味

高齢者は趣味や学習のためにオンラインコースや動画プラットフォームを活用し始めています。新しい趣味やスキルを習得し、知識を広げる機会としてインターネットを活用しています。


障壁と課題

一部の高齢者は、テクノロジーに対する抵抗感やデジタルリテラシーの不足により、インターネット利用に苦労している場合もあります。また、小さな文字やフォント、複雑なウェブデザインがアクセシビリティの問題となることもあります。


高齢者のインターネット利用は多様であり、一般的なトレンドとしては増加傾向にあります。しかし、アクセシビリティの向上に関しては企業側の対応も必要不可欠なのです。


日本の障害者のインターネット活用の実態


コミュニケーション手段としてのインターネット


視覚障害者や聴覚障害者は、電子メール、ソーシャルメディア、チャットプラットフォームなどを通じてコミュニケーションをとるためにインターネットを利用しています。

テキストベースのコミュニケーションが主流であり、情報の共有や交流に役立っています。


アクセス情報の収集と活用


障害者は、ウェブを通じて情報を収集し、日常生活での決定や問題解決に役立てています。特に医療情報、福祉サービス、アクセシビリティ情報に関心を持つことが多いです。


オンラインショッピング、オンデマンド動画視聴、音声アシスタントなど、さまざまなオンラインサービスを利用し、これらのサービスは、自宅や外出先からアクセスしやすい利点があるため、障害を持つ方々にとって欠かせないものになっているのです。


一方で国内のウェブサイトの殆どはアクセシビリティに対応しておらず、障害者にとって利用が難しいのが実態です。特に視覚障害者や認知障害を持つ人々にとって、適切なアクセシビリティ対策が不足しています。

日本の障害者のインターネット活用は年々増加しており、アクセシビリティを重視したウェブデザインやテクノロジーの発展は、障害者にとってより包括的なオンライン体験を提供するために進行中です。また、アクセシビリティに対する意識も高まっており、法的要求もこれから高まっていくでしょう。

 
 
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